企業が守るべき法律問題には、会社法・労働法・独占禁止法・個人情報保護法・知的財産法など、実に多くの関連法令があり、日々改正と整備を繰り返す中、その全てを把握し、健全な企業活動を続けていくのは非常に困難と言えます。
もちろんどれかに手を抜いていいと言うことは一切なく、企業も変化に対応することが不可欠であり、経済活動と雇用を守る観点から絶対に必要なものになります。
■企業法務トラブルで以下のことでお悩みではないでしょうか?
1. 契約書のチェックをしてほしい
2. 就業規則を作る際の注意点を知りたい
3. 問題社員の対処法を教えてほしい
4. 従業員が事故を起こしてしまった
5. 辞めた元社員から損害賠償請求を受けている
6. 売掛金を回収したい
7. 消費者からクレームを受けている
8. 日常業務の中で法律相談のできる弁護士がほしい
業務委託契約やフランチャイズ契約、売買基本契約など各種契約の締結、コンプライアンス体制を確立するとともに、取引先とのトラブルなど、法律問題に日々直面することも多いでしょう。
こういったトラブル、法令遵守に対応するためには、多様な法律問題に対してスピーディに回答・対処できる法的知識をもった専門家が必要不可欠と言えます。
■企業法務トラブルでよくある疑問と解決方法
◆契約書のチェックをしてほしい
弁護士に相談する企業法務案件で最も多いのが契約書のリーガルチェックです。弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼することで、
1. 合意した事実や内容の明確化
2. 契約書自体の実効性と有効性の担保
3. トラブルになった際の有力な証拠になる
4. 得意先とも対等な契約を結ぶことができる など
様々なメリットがあります。蓮田総合法律事務所では、中小企業や個人の皆様の抱える法的トラブルに幅広く対応しております。一般的なご相談例を紹介いたしますので、弁護士に相談すべき問題かどうか検討される際にお役立てください。
◆就業規則を作る際の注意点を知りたい
労働基準法では、常時10人以上の従業員を使用する企業に、就業規則の作成を義務付けており、作成義務違反には「30万円以下」の罰金が科されます。就業規則を作る際、『絶対的必要記載事項』『相対的必要記載事項』『任意的記載事項』の3点から考えていきますが、その中でも注意すべきは下記の7点です。
1. 就業規則適用の範囲に関する規定
2. 休職に関する規定
3. 始業時刻、終業時刻に関する規定
4. 休憩に関する規定
5. 有給休暇に関する規定
6. 副業に関する規定
7. 就業規則違反に関する規定
インターネット上から、就業規則の雛形を簡単に入手できる時代ではありますが、個別の事情によって大きく修正すべき箇所も多いため、各項目で内容に矛盾が生じないようにし、明記されておらず思わぬ抜け穴が出てこないよう、弁護士と相談しながら進めることをおすすめします。
◆問題社員の対処法を教えてほしい
一般常識的には信じられないような言動で会社に迷惑をかける「問題社員」。実力行使でなかなかな辞めさせられない現代社会において、問題社員への対処・対応を間違えるとさらに大きなトラブルに発展する可能性もあります。
問題が極めて重大であれば、解雇することもできますが多くのケースで違法と判断されますから、まず会社が行うべきは、事実上の「注意」です。そのあと、異動・転勤・出向、懲戒処分を下すといったフローを踏んでいく必要があるでしょう。
◆従業員が事故を起こしてしまった
起きた事故に対して会社にどう責任が及ぶかという点ですが、「使用者責任(民法第715条)」と「運行供用者責任(自動車損害賠償保障法第3条)」の2点で考えられます。
民法第715条
1. ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
自動車損害賠償保障法 第3条
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでない。
つまり、従業員が勤務時間内に社用車で起こした事故なら、会社に賠償責任が発生します。一方、従業員に落ち度がないこと、被害者や第三者に事故の原因があったこと、事故原因が車の故障ではないと認められれば会社に責任を問われることはありません。
◆辞めた元社員から損害賠償請求を受けている
2017年3月、IT企業に務める社員に対して、うつ病を理由に急に退職した元従業員の責任を追及、約1,270万円の損害賠償を求めていた訴訟があり、裁判所は会社に対して100万円の支払を命じたという事例があります。
企業に対して損害賠償をする正当な理由があれば、社会通念上の判断や、企業としての責任を果たす意味でも、無闇に争うことはせず応じる姿勢も大事かと思いますが、根拠のない不当な請求をされている場合、すぐに弁護士に相談し、今後の対策を練るべきでしょう。
◆売掛金を回収したい
相手方の倒産などにて売掛金が回収不能な場合、貸倒損失にて計上しますが、仕訳にあたっては一定の条件を満たしていなければなりません。倒産前であれば、弁護士から内容証明郵便の送付、代理交渉によって回収できる場合もありますが、それでも難しい場合は「強制執行による回収を行うことも考えられます。
◆消費者からクレームを受けている
近年、悪質なクレーマーに対してはカスタマーハラスメントと呼ぶこともあるようですが、店員に対して執拗な謝罪強要、SNSにアップロードして拡散させる例も数多く見られます。
クレームに対しては、誠実な対応を心がけることが重要です。
そして
1. 誠実な対応を行う
2. 事実確認及びクレームのポイントを把握する
3. 「解決策」の提示
4. その場で決めない
5. 対応マニュアルを策定する
といった対策が考えられますが、警察や弁護士を呼ばなければならない事態にまで至る場合もありえます。また、法的手続となった場合にはやりとりを証拠として残しておくことが有用となるため、相手の発言内容などを録音するなどして記録しておくことが重要です。
◆日常業務の中で法律相談のできる弁護士がほしい
その都度弁護士を探すことももちろん有用ですが、弁護士と顧問契約を結んでおくことで、有事の際に迅速に対応することが可能です。
■企業法務・予防法務を弁護士に依頼するメリット
◆契約内容の適正化、紛争解決が迅速にできる
契約交渉を有利に運んだり、紛争を未然に予防できます。例えば、紛争になりがちなポイントを事前に顧問弁護士から指摘を受けた上で、契約交渉を行うことも可能になります。
◆状況理解までの時短と最適解が出しやすい
顧問弁護士の場合、ことが起きてから弁護士を探す場合に比べ、自社の業務内容の把握や状況理解まで時間がかかり、十分な理解を得られる可能性が少なくなります。顧問契約を締結し、弁護士と継続的に相談を持ちかけていれば、自社の業務内容や社内の固有の実情を、自然と弁護士に理解してもらうことができます。
◆トラブルの迅速な対応が期待できる
特に契約書の作成や・チェックが業務として期待する企業法務において、顧問契約を結んでおくことで事案が複雑でない限り契約書の原稿をメール等で弁護士に送るだけでチェックを依頼できることもあります。